レタス収穫の機械化推進へ〜加工・業務用レタス現地検討会に参加しました
2025(令和7)年9月30日(火)、クラカグループ倉敷青果株式会社カット野菜部の寺田部長、河合課長が「野菜流通カット協議会」主催の「加工・業務用レタス現地検討会」に参加しました。

広い土地を活かした農業の形として、近年全国的に加工・業務用野菜への取り組みが進む中、レタスについては、その繊細さや個体差から収穫の機械化が困難とされてきました。しかし、労働力不足や生産規模拡大のニーズから、機械化体系の導入が急務となっています。
本検討会は、国内で初めて実用化に成功し、2025年「中小企業優秀新技術・新製品賞」優良賞を受賞したレタス収穫機の実演と、5つの専門セミナーを通じて、国産加工・業務用レタスの生産・流通拡大を目的に開催されました。
当日は、生産者をはじめ、JA関係者、研究機関、農業機械メーカー、中間事業者、実需者など、多くの関係者が参加しました。
レタス圃場での機械収穫の視察
初めに長野県北佐久郡御代田町の加工・業務用レタス生産圃場において、レタス収穫機による機械収穫の実演が行われました。これまで手作業に頼らざるを得なかったレタス収穫の機械化が実現し、作業効率の大幅な向上が期待できることを実感しました。


セミナー・質疑応答
その後、佐久平交流センターに会場を移し、「生産者」「機械メーカー」「試験研究機関」「種苗メーカー」「研究行政機関」の5つの専門的な話題提供が行われました。
省力化や暑さ対策に関する話題が多く取り上げられ、気候変動や労働力不足という現代の農業が直面する課題への対応が話題の中心となりました。

各専門家によるセミナーは以下のテーマで行われました。
生産者
機械、データ、AIの活用により無駄を省き、生産性を向上させる次世代産地経営の実践と課題について
機械メーカー
レタス収穫機への取り組みと現状の課題、今後の展望について、海外事例も交えながら説明
試験研究機関
地元の大学との共同開発を含めた省力・機械化への取り組みや品種、形、大きさなど機械収穫に適したレタスの分析。近年の気候変動に対応するレタスの研究。
種苗メーカー
栽培面積と出荷量の変化、品種の変遷など、レタスを取り巻く環境変化と「ヒートガイ」「フレアルージュ」など品種育成の対応について
研究行政機関
生育モデルによる予測方法や活用例など、レタスのスマート生産における生育予測の意義
セミナー終了後の質疑応答では、「収穫作業以外の機械化はどこまで進んでいるのか」「機械で収穫できる品種にはどのようなものがあるのか」といった実務的な質問が出され、参加者の高い関心がうかがえました。
今回の検討会への参加を通じて、レタス産地における機械化推進への意欲的な取り組みと、生産者、研究機関、機械メーカーが一体となった課題解決への姿勢を知ることができました。
クラカグループは今後も生産地とのつながりを大切にしながら、このような技術革新の動向を注視し、安定的な国産レタスの供給体制構築に貢献してまいります。
そして、安全・安心な国産野菜を皆様の食卓にお届けできるよう努めてまいります。
山頂部に雪を頂いた浅間山