「第18回 岡山県しんきん合同ビジネス交流会」のビジネスプランコンテスト最終審査に参加しました
2024(令和6)年9月11日(水)、岡山県岡山市北区大内田のコンベックス岡山にて「第18回岡山県しんきん合同ビジネス交流会」が開催されました。
本交流会の一環として、自社の製品やサービスをPRする「しんきん合同ビジネスコンテスト」が実施されました。クラカグループは書類審査による一次審査を通過し、当日行われた最終審査では、倉敷青果株式会社カット野菜部部長の寺田がプレゼンテーションを行い、当社の強みをアピールしました。
岡山県しんきん合同ビジネス交流会とは、『岡山の元気がここに集結!~新しい仕事様式~』をキャッチフレーズに、岡山県を中心に全国から参加する幅広い業種の企業同士により、ビジネス交流・商談を積極的に促す催しです。
プレゼンテーションは、青果・野菜がピンチを迎えているという現状の指摘から始まりました。
野菜を作る担い手の不足、生産者の高齢化に伴う耕作放棄地の増加など、農業を取り巻く状況は厳しいものとなっています。
しかし、ピンチはチャンスでもあります。1933(昭和8)年に創業し90年を超える歴史を持つ当社も、例外なく過去に幾多のピンチや困難がありました。しかし、当社の企業理念である「Never Give Up(決してあきらめない)」の精神で、それらをチャンスに変えてきました。
倉敷青果株式会社は、青果市場で青果卸売を行っています。当社には現在、約340名の従業員が在籍していますが、実は卸売販売だけでなく、カット野菜の工場も運営しています。全従業員のうち約300人が、このカット野菜の業務に携わっています。
では、なぜ青果市場がカット野菜事業を始めたのか。
「スマートな毎日を彩るサラダ」をコンセプトに、もっと野菜・青果を皆様の身近に感じていただきたいという思いから、1998(平成10)年にカット野菜工場を立ち上げました。皆様にポピュラーな商品として青果物を提供するため、カット野菜工場の運営を行っています。
先ほど青果・野菜がピンチと申し上げましたが、日本の食糧事情は、食料自給率がカロリーベースで38%、生産額ベースで61%しかないという危機的な状況です。
昨今の「令和の米騒動」に見られるように、天災などにより生産量の減少が懸念されると、多くの人が一斉に購入に走ります。この行動が連鎖的に広がり、実際の供給状況以上に市場が混乱する事態を引き起こしてしまいます。
このような不安定な状況に対応するため、当社では安定供給の確保に努めるとともに、消費者の皆様により便利な形で野菜を提供することをテーマに、袋サラダやカップサラダ、そしてスーパーへは半分に切ったキャベツの納品など、カット野菜事業を展開しています。
当社の事業内容は、青果物卸売、カット野菜製造に加えて農業生産も行っています。
元々農業生産法人はありませんでしたが、農業生産部門を立ち上げてキャベツや青ネギを栽培し、それを流通させる卸売の市場機能、そしてカット野菜の工場機能を持ち、さらにはレストランまで運営しています(倉敷美観地区の近くで和食店「ゆうなぎ倉敷本店」を運営しております。皆様、ぜひご来店ください)。最終的に、これらの商品を消費者の皆様にお届けしています。
また、個人生産者の方々からも積極的に青果物の仕入れを行っています。
このように、生産、流通、加工、供給までを一貫して行い、将来的には皆様により迅速に商品をお届けできるような仕組みの構築を行っております。
県内のスーパーをはじめ、小売店、コンビニエンスストア、ドラッグストア、お弁当・お総菜工場、大手うどんチェーン店など、多様な業態のお客様へ、カット野菜を中心に幅広く納入しています。
お客様のニーズに合わせて、様々な形態での納品に対応することで、お客様へ新鮮な青果物をお届けするビジネスを展開しています。
また、岡山県で作った農産物を使用した地産地消のドレッシングも製造しており、様々な場所で販売していこうと考えております。
最後に、プレゼンテーションは次の言葉で締めくくられました。
「スマートな毎日を彩るサラダ」
皆様に新鮮な野菜をお届けする、これが私たちクラカグループ、倉敷青果でございます。
ご清聴ありがとうございました。
プレゼンテーションの後、質疑応答の時間となり、審査員の皆様からのご質問にお答えいたしました。
- 今後の事業展開についてお聞かせください。
- 地産地消が最も重要なテーマです。クラカグループでは、地元で採れたものを地元で消費する「地産地消」を推進しています。岡山県内で33haの農地を運営し、青ネギ、玉ねぎ、キャベツなどを生産しています。今後も生産農地を拡大し、新見市方面にも2029年に10ha拡大する計画です。2024年問題に対応するため、生産者の収入を増やすべくお取引先に営業活動を行い、生産者と消費者をつなぐ企業を目指しています。
- 私は健康のためにカット野菜をよく食べますが、洗う手間がなく清潔でそのまま食べられる点が魅力です。カット野菜は全国どこでも手に入りますが、岡山ならではのカット野菜はありますか?
- 当社は「倉敷ねぎ」として倉敷産の青ネギをブランド化し、地産地消をテーマにカット野菜を提供しています。今後は、シャインマスカットや白桃を使ったドレッシングの商品化も視野に入れ、岡山県らしい商品開発を進めたいと考えています。
- 倉敷ねぎの魅力や特長はどのような点でしょうか?
- 土づくりにこだわっています。極力農薬の使用は避けて、今後は有機栽培というところを目指しています。また、農業版のISOともいえるGAP(農業生産工程管理)の取得に向けて取り組んでおり、これらの特色を打ち出しながら皆様にアピールしていきたいと考えています。
- 事業拡大にはリスクが伴いますが、クラカグループが事業拡大を進める中で、根幹にある考え方は何でしょうか?
- 企業理念は「ネバーギブアップ」であり、社員には「挨拶・清掃・新規開拓」の姿勢を求めています。この企業理念がクラカグループの根幹を成しています。新規開拓に力を入れ、新たな分野に挑戦し続ける姿勢が当社の特徴です。
例えば、カット野菜の事業を始めた当初は懐疑的な目で見られましたが、品質と価格を両立させることで需要に応え、今では当たり前の存在となりました。
当社は、野菜を皆様の身近な存在にしたいという思いから、他の業界の良いところを取り入れ、青果業界に新たな価値を提供することを目指しています。
野菜は主役にはなりにくいですが、しっかりとした脇役として支えていくという考えのもと、事業を展開しています。
- 取り扱っている商品の品目数は、どのくらいになりますか?
- クラカグループでは、消費者向けにパッケージサラダやカップサラダなど60から70種類のカット野菜を提供しています。
業務用になるとお取引先ごとに規格が異なるため、SKU(各商品や規格に割り当てられた番号や文字列)は1600から2000ほどに上ります。生産効率を上げるために、規格を絞り込み、品質の改善に取り組んでいます。
例えば、消費期限を延ばすために工場内の温度や水温を下げたり、鋭利なスライサーを導入したりしています。
お取引先は全国に260社、6500店舗ほどあり、ニーズに応えるために商品開発に力を入れています。
- 遊休農地の有効活用について、現在どのくらいの規模で事業を展開されていますか?
- 遊休農地に関しては、全国で約430万haの農地がある中で、1/10以上となる50万haが遊休耕作放棄地となっています。
耕作放棄地の有効活用と生産の振興に寄与することをテーマに栽培を行っており、点在する遊休地を活用したビジネスモデルを作り、担い手を育てていく、これが当社の使命として事業を行っています。
クラカグループは今後も展示会への参加を通じて当社の理念を広く知っていただくとともに、安全・安心な食を皆様の食卓へお届けできるよう、ネバーギブアップの精神で事業に取り組んでまいります。
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