岡山県矢掛町のアスパラガス産地を視察。イタリア野菜ブランド化への挑戦
2025年(令和7)3月21日(金)、クラカグループ倉敷青果株式会社のカット野菜部・河合課長、作間、および蔬菜部・難波課長が、岡山県小田郡矢掛町を訪問しました。今回は、商談とともに今が旬を迎えるアスパラガス圃場の視察が目的です。

JA晴れの国岡山 矢掛アグリセンターの先進的な選果体制
最初に訪問したのは、JA晴れの国岡山 矢掛アグリセンターにある選果場です。
こちらでは、高性能なアスパラ画像処理選別システムを導入しています。穂先を自動で揃えて根を切り、精密なカメラ技術でサイズや曲がり、扁平などを瞬時に分析。そのまま結束までを行う設備です。さらに、連続して投入でき、タッチパネルで簡単に操作が可能で、サイズ設定を柔軟に変更できる高性能な選別機です。
この時期、露地栽培を中心に収穫されたアスパラガスは、4月中旬から約1ヶ月間で9万束の出荷を見込んでいます。




技術と手間で支える高品質なアスパラガス栽培
続いて営農部の堀水係長にご同行いただき、矢掛町にてご夫婦でアスパラガスを栽培されている、アスパラガス部会役員の坪井様の圃場を訪問しました。
坪井様は7棟の栽培ハウスと露地で栽培を行っており、アスパラガスをはじめ、キャベツ、菜の花、イタリア野菜などを生産されています。


栽培ハウスは二重被覆構造になっており、日中は、気温や天候、生育状況に応じて、ビニールを取り外して管理しています。
露地栽培では、2条(条:作物を植え付ける際に、苗や種を一定の間隔で一直線に並べた列のこと)雨除けビニールを二重に設置することで、雨が直接当たるのを防ぎ、病気の原因となる菌の飛散を防いでいる圃場もあります。また、雑草は害虫の住処となるだけでなく、病気の温床にもなり得るため、集中防除期間を設定し、殺虫・殺菌剤を散布して対策と予防を行っています。特に発生が多い時期には、週に2回散布することもあります。
また、アスパラガスは、シュウ酸・コハク酸・酒石酸などの有機酸を含む成分を根から放出し、これらが土に蓄積することで、連作障害(アレロパシー)を引き起こす要因の一つとなっています。特にアスパラガスは根を広く深く張り巡らせる特性があり、この影響も広い範囲に及ぶため、土づくりに細心の注意を払い、健全な栽培環境づくりに取り組んでいます。
水やりについては、省力化と効率化のため、ソーラーシステムであらかじめ時間を定めて、圧力をかけた散水チューブを通して給水する拍動潅水(はくどうかんすい)などの機械的なシステムを導入しています。このシステムにより、常に圃場にいる必要がなく、作業負担を軽減しています。

地域で推進する「矢掛町イタリア野菜プロジェクト」
今回訪問した矢掛町では、地域活性化と農業振興を目的として「矢掛町イタリア野菜プロジェクト」を展開しています。
この取り組みは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でイタリアチームのホストタウンとなった際、矢掛産の野菜を提供して好評を得た経験を基に始まりました。
地中海周辺の気候のように、矢掛町の年間を通して比較的温暖で日照時間が長い環境で育ったアスパラガスやズッキーニは、「味が濃い」「風味が良い」と評価され、多くの選手たちにも喜ばれました。
こうした実績を基盤として立ち上げられたのが「矢掛町イタリア野菜プロジェクト」です。JA晴れの国岡山 矢掛アグリセンターの野菜部会の一部門としてJAやかげイタリア野菜研究会も創設され、生産者とJAが連携して、イタリア野菜というカテゴリーを通じて矢掛町産野菜のブランディングを推進しています。
現在ではサンマルツァーノ(トマト)、フィノッキオ(フェンネル)、リーキ(ポロネギ)など多様なイタリア野菜を栽培しています。当社もリーキのお取り引きを行っており、これらの野菜は輸入品に劣らない品質と評価されています。
サンマルツァーノ
フィノッキオ(フェンネル)
リーキ(ポロネギ)今回の矢掛町訪問では、選果場の先進的な技術や手間をかけた栽培方法を拝見することができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。
この貴重な経験を活かし、生産者の皆様との連携をさらに深め、矢掛町産、そして岡山県産の青果物の魅力を全国の食卓へお届けできるよう努めてまいります。

岡山県小田郡矢掛町の街道の宿場町




