JAきたみらいの皆様がご来社、特別栽培農産物について商談を行いました

2025年(令和7)4月15日(火)、JAきたみらい、ホクレン大阪支店の皆様がご来社され、玉ねぎ、じゃがいもに関する商談を行いました。
クラカグループから倉敷青果株式会社の冨本顧問、蔬菜部の高橋課長、池内課長が参加しました。
最初に冨本顧問から、いつもお世話になっているお礼と、お越しいただいたことへの感謝の挨拶をさせていただきました。
続いて、JAきたみらいの主幹品目である玉ねぎやじゃがいもを中心に取り組んでいる「特別栽培農産物」について詳しくお話を伺いました。
JAきたみらいは、農薬・化学肥料の大幅削減、GAPによる生産管理、循環型農業やバイオ炭活用など、環境と安全に配慮した特別栽培農産物の生産に力を入れています。
これらの取り組みは、消費者の信頼に応えるとともに、持続可能な農業と地域社会の未来づくりに貢献しています。
特別栽培農産物の他にも農業と環境との調和に配慮した「クリーン農業」を実践し、より「安全・安心」な農産物を出荷するため、生産者自らが様々な基準に基づき、生産に取り組んでいます。
カーボンオフセットの考え方を取り入れ、農業機械の使用に伴うCO2排出量の実質ゼロを目指す取り組みや『J-クレジット』【1】の購入などを通じて、環境負荷の低減に努めており、このような環境配慮を示すマークの活用も積極的に進めているとのことでした。
【1】J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
(出典:J-クレジット制度ホームページ「J-クレジット制度について」)
さらに、JAきたみらいでは、新たなじゃがいも品種「ゆめいころ」の導入に向けた取り組みを進めています。
これは、JAきたみらい管内における主要品種である男爵いもの作付けについて、現在の850ヘクタール全てを、2028年までに「ゆめいころ」へと切り替えるという大規模な計画です。
この全面的な品種転換は、JAきたみらいが継続的に高品質で安定した供給を行っていくための重要な戦略として位置づけられています。
ゆめいころ
「ゆめいころ」は北海道立総合研究機構北見農業試験場が2010年に「男爵薯」(母)と「北系39号」(父)を交配して開発し、2021年に北海道優良品種に認定された生食用じゃがいも新品種です。
「いころ」はアイヌ語で「宝物」を意味し、長く愛される品種になるよう願いが込められています。
「男爵薯」と比較して、根に侵入して生育を阻害するジャガイモシストセンチュウやそうか病への抵抗性に優れており、玉揃いが良いことから規格内率が高く、規格内いも重は10%ほど多収の結果が得られています。
また、しっとりあっさりとした食感で、芽が浅く皮むきも容易なため、家庭用・業務用問わずおすすめです。
今後、幅広い世代にアピールできる、北海道産じゃがいもの新定番として普及が期待されています。
今後の販売については、量販店を交えた協議を進め、出荷時期や数量、価格設定、納品方法などの具体的な取引条件について詳細を検討していく予定となっています。
JAきたみらいの特別栽培農産物のような付加価値の高い取り組みを、パッケージデザインやPOPなどの販促物に効果的に反映することで、環境に配慮した高品質な農産物の価値を最大限に引き出し、消費者の皆様に安心してお選びいただける安全・安心な食の提供を目指してまいります。
北見市留辺蘂町の道の駅「おんねゆ温泉」
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「特別栽培農産物」とは
特別栽培農産物とは、農林水産省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に基づいて生産された農産物のことを指します。
この区分は、その農産物が栽培された地域の慣行レベル、つまりその地域で一般的に行われている通常の栽培方法と比べて、化学合成農薬の使用回数と化学肥料(窒素成分)の使用量の両方を、それぞれ50%以下以上削減して栽培されたものに対して与えられます。基準となる慣行レベルは農産物の種類ごと、また地域ごとに設定されるため、地域の実情に即した削減が行われる点が特徴です。
特別栽培農産物として消費者に提供する際には、その基準を満たしていることを示すとともに、具体的に化学合成農薬と化学肥料の使用状況(削減割合など)を表示することが義務付けられています。
これは、化学合成農薬や化学肥料を原則として使用しない有機農産物(有機JAS認証)とは異なり、完全に無使用ではなく、あくまで「慣行栽培からの削減」を基準としており、環境負荷の低減と消費者への情報提供を目的とした取り組みと言えます。
JAきたみらいの
化学合成肥料・農薬の使用制限