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蒜山の白ネギとレタス圃場を訪問しました|地域特性を活かしたリレー出荷体制の実現

岡山・蒜山の白ネギとレタス圃場を訪問しました

2025年(令和7年)8月28日(木)、クラカグループ倉敷青果株式会社カット野菜部の河合課長が株式会社BrightCorporation(ブライトコーポレーション)の松本様にご同行いただき、岡山県真庭市蒜山地域の白ネギレタスの圃場(ほじょう:畑や田んぼのこと)を視察しました。

入澤様が管理する蒜山のレタス圃場

蒜山地区の白ネギ圃場を訪問

蒜山の白ネギ圃場で収穫する織田様

今回の視察では、まず白ネギ生産者の織田様が管理する約1.2ヘクタールの圃場を訪問いたしました。織田様は蒜山の圃場の他に、真庭市久世地区にて白ネギやキャベツ、白菜なども栽培されています。

こちらの圃場は標高400~450メートル地点にあり、8月下旬から10月にかけて収穫を行います。また、9月から10月にかけては標高300~350メートル地点の圃場での収穫作業に取り組まれる予定です。

収穫された白ネギは、BrightCorporationにて皮むき作業や、加工用として2~3本を結束する作業を効率的に行い、出荷する体制が整っています。

地域特性を活かしたリレー出荷体制の確立

高品質を誇る真庭の白ネギ圃場
蒜山地区を含む真庭市では白ネギの産地化を進めています。

真庭市は南北約50キロメートルの広大な地域で、北部の蒜山高原と南部の平地では標高や気温差が大きく異なります。この地理的特性を活用し、北部では8月から12月、南部では10月から翌年2月までのリレー出荷体制を確立し、約半年間にわたる長期安定供給を実現しています。

蒜山高原の朝晩の寒暖差と黒ボク土で育てられる白ネギは甘味に富み、高品質な白ネギが育ちます。白ネギは気温が25度を超えると成長が阻害・停滞する(*1)とされますが、この性質を活かし、高原の冷涼な気候を利用して、平地では成熟しにくい夏秋期の栽培を可能にしています。
黒ボク土についてはこちら

(*1)参考資料:農林水産省「みやぎの野菜指導指針」第6節ねぎ

蒜山地区を含む真庭市で産地化を進める白ネギ

また、真庭市が主催している新規栽培者の確保と生産振興を目的とした「真庭いきいき帰農塾」の白ネギコースでは作業機械や選果場、栽培指導などで生産者を支援。定植から収穫・出荷まで体系的な指導を行っています。

これに加えて、定植機や畝上げ機の貸し出し、専用肥料の供給など、きめ細かな支援体制を整備することで、定年帰農者や兼業農家など多様な形態での参入を促進しています。

これらの取り組みにより生産規模は南部51戸・約10ヘクタール、北部20戸・約4ヘクタールへと着実に拡大し、現在では岡山県内において重要な白ネギ生産地として、地域農業の発展に大きく寄与しています。

蒜山地区でのレタス圃場を視察

蒜山のレタス生産者入澤様

白ネギの圃場視察に続いて、レタス生産者である入澤様の圃場を訪問しました。入澤様はレタス栽培を中心に、キャベツ、とうもろこしなども手がけられています。

こちらの圃場は標高450~500メートル地点にあり、「ブルラッシュ」という品種のレタスを栽培されています。9月から10月にかけて蒜山地域で収穫・出荷した後、久世地区でのリレー出荷を行う計画となっています。

気候対策と今後の産地連携に向けて

蒜山のレタス

近年、全国の生産者の方々が同様の課題に直面していますが、両生産者の方も今年の高温と干ばつの影響により、水やり作業に例年以上のご苦労をされているとのお話を伺いました。それでも品質の高い野菜の生産に取り組まれている、その献身的な姿勢の素晴らしさを実感しました。

今後も全国の生産者様との連携をより深め、消費者の皆様に新鮮で高品質な野菜をお届けできるよう、定期的な産地視察を通じて地域農業の発展に貢献してまいります。

蒜山の白ネギ・レタス圃場を視察しましたなだらかで美しい稜線を織りなす蒜山三座とレタス圃場