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ジャンボピーマン「とんがりパワー」の商談を行いました

2025年(令和7年)9月11日(木)、株式会社神戸しいたけ研究所の橋間顧問、卸売事業部の佐々木様をお迎えしてジャンボピーマンの商談を行いました。
クラカグループ倉敷青果株式会社からはカット野菜部の河合課長と藤原課長が対応しました。

株式会社神戸しいたけ研究所との商談の様子

株式会社神戸しいたけ研究所の取り組み

株式会社神戸しいたけ研究所は、兵庫県神戸市兵庫区に拠点を置き、「まるしいたけ」の栽培・販売を行っています。自社契約施設での菌床栽培で、無農薬無化学肥料にこだわり、衛生・温度管理を徹底。高い安全性と品質を確保しています。

ジャンボピーマン「とんがりパワー」

ジャンボピーマンについては4年前から兵庫県三田市の若手農業者を中心に栽培に取り組んでいます。
品種には「ジャンピー」「ジャンボピーマンGG」「デカチャンプ」などがありますが、同社は「とんがりパワー」を栽培しています。
より着果性が良く(たくさんピーマンができる)、病気に強い品種もありますが、接木に独自の工夫を施すことで耐病性を高めて栽培をされています。

神戸しいたけ研究所との商談

野菜価格高騰と栽培環境の課題

近年はピーマンを含め、野菜価格の高騰が続いています。
この背景には気象異常による収穫量の減少、農家の高齢化人手不足、肥料や燃料などの生産・物流コスト上昇が複合的に絡んでいます。夏季の高温や豪雨、冬季の日照不足などによる着果不良が頻発し、生育の安定性が損なわれたことも大きく影響しています。

特に主産地の生産縮小により需給バランスが崩れ、全国的な価格上昇につながっています。都市部の需要が強いことも価格の高止まりを加速させており、今後も不安定な気象やコスト環境が続けば、高値傾向が継続する可能性は高いです。気候変動が進むにつれ、病害虫の発生時期が変化し、発生頻度が増加しています。これにより、農業現場では病害虫対策がますます重要になっています。

東京都中央市場ピーマン類 月平均単価の推移(単位:円/kg)東京都中央市場ピーマン類 月平均単価の推移独立行政法人農畜産業振興機構(alic)ベジ探 卸売市場別入荷量・価格より作成

ピーマンの作付面積、収穫量及び出荷量

令和6年産冬春ピーマンの作付面積、収穫量及び出荷量
令和6年産夏秋ピーマンピーマンの作付面積、収穫量及び出荷量

出典:農林水産省「令和6年産指定野菜(春野菜、夏秋野菜等)の作付面積、収穫量及び出荷量

ピーマン栽培では葉焼けや高温障害を防ぐため、通常、遮光ネットや遮光カーテンを設置して栽培されますが、日中の光量や天候、成長段階に応じて手軽に光量を調整するのが困難です。また遮光ネットは農薬の散布作業を物理的に妨げ、遮光カーテンが下がっている状態では特に作業性が悪化します。

高温多湿の環境下では病気が発生するリスクが高まるため、農薬散布は欠かせません。加えて、高温による積算温度の上昇により、ピーマンが早期に着色してしまい、商品価値が低下する問題も生じています。

そこで神戸しいたけ研究所では、通常は間引いてしまうピーマンの葉を残し、直接日光がピーマンに当たらないよう、バランスよく茂らせて日陰を作るという栽培方法を採用しています。これにより、生育に必要な光量を確保しつつ、強すぎる直射日光だけを和らげ、生育段階に応じた調整が可能になります。

神戸しいたけ研究所のジャンボピーマン

カット野菜製造現場からの情報共有

当社からは岡山の産地状況について説明を行い、加工・業務用野菜としての歩留まり(無駄なく使える量)や販売経路、納品時の規格・納期に関する詳細を共有しました。さらに、季節ごとの入荷の見通しや、野菜を取り巻く市場環境についても触れ、加工・業務用野菜を扱う現場の視点からお話ししました。

説明する倉敷青果カット野菜部

今後の展望

神戸しいたけ研究所では、生産地をさらに広げることで、年間を通じた安定供給体制の構築を目指しているとのことです。
近年では、加工・業務用野菜においても、より高い品質が求められる傾向にあり、現場での対応力や安定供給への意識が一層重要視されるようになっています。

今回の商談を通じて、同社の姿勢や栽培の工夫に触れる貴重な機会となりました。
クラカグループは今後も信頼できる取引先との情報共有を通じて、相互理解を深めてまいります。

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