福岡県の長なす生産地を訪ねて ~JAみいを訪問しました

2025年(令和7年)8月1日(金)、クラカグループ倉敷青果株式会社カット野菜部の河合課長と藤原課長が、商談および長なすの圃場(ほじょう:畑や田んぼのこと)視察のため、JAみい園芸流通センター、および大刀洗集出荷場を訪問いたしました。
はじめにJAみい園芸流通センターにて、各担当者の皆様とお盆期間中の取引について打ち合わせを行いました。続いて大刀洗集出荷場へ伺い、白水係長、平田様にご対応いただき、長なすについて打ち合わせを行った後、生育状況を確認するため圃場に向かいました。
今回お伺いした圃場を管理する平山様は、約10年前からなす栽培を始められ、現在は「筑陽」という品種を栽培されています。9月いっぱいまでの出荷を予定されており、特に光沢と甘みを引き出すため、肥料にこだわりを持って栽培に取り組んでいらっしゃいます。
栽培の工夫と取り組み
平山様の圃場では、4月中旬から6月上旬にかけてズッキーニを栽培し、その後長なすに切り替えることで連作障害を避ける工夫をされています。収穫においては、なすが大きくなりすぎないよう注意深く観察し、最適なタイミングでの収穫を心がけていらっしゃいます。
夏場の高温と水不足への対策として、潅水チューブによる給水に加えて、畝間への直接給水も実施されています。そのほか、畝には藁を敷いて雑草対策と土壌の崩れ防止を図り、ソルゴーを植えることで防風対策と害虫対策も行うなど、様々な工夫を凝らされています。
現在の課題と今後の懸念
しかしながら、本来乾燥に強いとされているソルゴーも一部元気のないものが見受けられ、今年の水不足の深刻さを示しています。今後最も心配されているのは台風の影響とのことで、これからの天候動向を注意深く見守りながらの栽培管理が続きます。
今回の訪問を終えて
今回の訪問を通じて、高品質な長なすを育てるために平山様が日々積み重ねられている地道な作業と工夫の数々を実感することができました。
今後はなすに加えてズッキーニについても、お取引の提案を進めていく予定です。
今後も引き続き地域の生産者の皆様との連携を深め、安全・安心な青果物をお客様にお届けできるよう取り組んでまいります。
左から白水係長、長なす生産者の平山様、平田様、河合
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筑陽(ちくよう)
筑陽は長なすの代表的な品種で、首が太くて長い形状と、ツヤのある美しい濃黒紫色が特徴です。果肉はしっかりしていながら皮はやわらかく、加熱するととろっとした食感とほどよい甘みが楽しめます。
また、加熱しても崩れにくいため見栄えよく仕上がり、焼きなすや煮浸し、揚げびたし、麻婆なすなど幅広い料理に活用できる調理のしやすさも魅力です。
栽培面では、草勢(そうせい:植物の育ち具合や勢いのこと)が強く、育てやすいため、年間を通じて安定した収穫が可能です。そのためスーパーなどでも手に入りやすく、生産者・消費者双方にメリットの大きい長なすです。