JA高知県を訪問|加工・業務用ピーマンの商談と産地視察を行いました
2025(令和7)年11月5日(水)、クラカグループ倉敷青果株式会社カット野菜部の河合課長がJA高知県を訪問し、加工・業務用ピーマンを中心とした商談ならびに産地の取り組みについて情報交換を行いました。
商談にはJA高知県営農販売事業本部 園芸販売部特産販売課の沼課長、久保チーフ、JA全農青果センターの熊田係長にご同席いただきました。

まずJA高知県にて、加工・業務用ピーマンについての商談、その他の商品状況の確認、先日JA全農と商談したお取引先向け地域原材料の情報交換、販売状況等の情報交換を行いました。
JA高知県は、2019年1月1日に県内12JAと連合会機能が統合して誕生しました。
統合前に販売流通を担っていた高知県園芸農業協同組合連合会が築いた県域一元の集出荷販売体制を継承しています。園芸流通センターを拠点として、県内約70カ所の選果場から野菜約100品目、果実約40品目、花き約100品目を集約し、全国約100の卸売市場へ効率的に出荷しています。
生産面では、環境保全型農業「エコシステム栽培」に注力しています。天敵昆虫やハチ交配、防虫ネットなど化学合成農薬に頼らない14の技術を組み合わせ、安全・安心な野菜づくりを実践。その取り組みの成果として、「高知なす」は生鮮ナスとして全国初の機能性表示食品に認定され、血圧改善効果が実証されました。
こうした取り組みを支えているのが、温暖で日照時間の長い高知の気候です。この恵まれた環境を活かし、全国トップクラスの園芸産地として、多品目の園芸作物を計画的に生産・販売しています。
ピーマンについては、秋冬は「みおぎ」、夏秋は「さらら」を主力に据え、年間を通して品質の均一化と歩留まりの最適化を図っています。
JA高知県では、IOP(Internet of Plants)によって栽培環境や生育データを見える化・共有する取り組みを推進しています。
県内企業・研究機関との協働のもと、センサーやAIを活用して温湿度、CO2、日射量、潅水を最適化し、従来の経験や勘に科学的なデータを組み合わせた栽培を実現しています。
クラウド基盤に蓄積されたノウハウは、施設園芸の省力化と収量・品質の向上につながり、若手生産者の定着を目指した実証と普及にも役立てられています。
生産者はスマートフォンやパソコンから手軽にシステムへアクセスし、データに基づいた効率的な栽培を行うことができます。
JA高知県での商談に続いて、久保チーフのご案内で安芸営農経済センターの芸西集出荷場を訪問しました。上田場長、倉澤様、小松様と商談を行い、ピーマン栽培の現場を視察しました。
集出荷場へ持ち込まれたピーマン生産者の黒岩様
高知県安芸地区でピーマン農家として活躍されている黒岩様の栽培ハウスを訪問し、生産の取り組みについてお話を伺いました。黒岩様は肉厚で甘みが強い品種「みはた2号」を有機肥料で栽培されており、反収を上げるために毎日欠かさず間引きを行っています。
また、天敵昆虫を活用した「天敵栽培」にも取り組んでいます。当初は試行錯誤の連続でしたが、娘さんが幼い頃から天敵となる虫を一緒に集めるなど、家族で協力しながら農薬を使わない安全で環境に優しい栽培方法を確立されました。有機栽培ならではの自然の微生物を活かした土づくりと合わせて、しっかりとした味わい深いピーマンづくりを実践されています。

今回の訪問を通じ、JA高知県の生産・流通・販売にわたる統合的な取り組みとデータに基づく精緻な運用を改めて実感いたしました。
今後も産地との連携を深めながら、JA高知県が誇る多品目の取り扱いについて積極的に提案を進め、市場や実需の期待に応える安定的な供給体制の構築に尽力してまいります。

太平洋に面した高知の名所、桂浜

