徳島県内のレタス産地・トマト施設園芸を視察しました
2025(令和7)年12月17日(水)、クラカグループ倉敷青果株式会社カット野菜部の河合課長が、徳島県内の産地および関係施設を訪問しました。
今回の出張では、JA全農とくしまをはじめ、JA徳島県吉野川営農経済センターやトマトパーク徳島を巡り、現状の取り組みの共有と今後に向けた意見交換、圃場・生産体制の確認を行いました。

はじめに訪問したJA全農とくしまでは、二木部長をはじめ山田課長、中村様、斎村様、松田様にご対応いただき、現在の取引状況やこれまでの取り組みについて報告するとともに、今後に向けた打ち合わせを行いました。
その後、中村様にご同行いただき、JA徳島県吉野川営農経済センターを訪問しました。
今年は昨年の大干ばつとは対照的に天候に恵まれ、生育も順調なため、例年より前進して収穫が見込まれますが、一方で端境期が生じる懸念もあります。
なお、この地域ではレタス類はすべて契約栽培で生産されており、玉レタス、リーフレタス、サニーレタスが安定的に供給されています。
「四国三郎」の異名を持つ吉野川下流域、特に徳島市のある河口部の徳島平野は、度重なる氾濫によって運ばれた水はけの極めて良い砂質土(砂質壌土)が堆積し、肥沃な土壌を形成しています。この土壌条件と温暖な気候、冬場の豊富な日照を活かして農業地帯として発展し、現在では冬レタスや春レタスの主要産地の一つとして知られています。
流域に恩恵をもたらす吉野川に架かる吉野川橋と眉山
また、現地では、この地域で生産量が最も多い生産者である松原様の圃場を訪れ、生育の様子を見学させていただきました。
玉レタスを約2.6ヘクタール、サニーレタスとリーフレタスをそれぞれ約1.8ヘクタール管理されています。


続いて訪問したトマトパーク徳島では、寺井代表と商談を行い、栽培施設をご案内いただきました。同施設は2020年8月にオープンし、現在は6作目の栽培が行われています。

8月下旬に定植し、10月中旬から収穫を開始する栽培スケジュールで、週2回の収穫と計画的な出荷体制を構築しています。収穫以外の日もこまめに観察を行い、生育状況に応じて葉かきや摘果などの管理作業を実施しています。
品種は、病気に強く収量と作業性に優れた「カナバロ」が約55%、「マッティナロ」が約45%を占めています。
主なお取引先が加工工場であるため、同施設ではヘタを取り除いた状態で出荷しています。ヘタは外れやすく、その部分からカビが発生して他の果実に影響を及ぼすおそれがあるため、加工用原料としてはヘタなしの方が適しているとのことでした。

また、農場長の新里様からは、今後独立し滋賀県でトマト栽培を始める予定についてもお話を伺いました。トマトパークが掲げる「施設園芸 × トマト」のスペシャリスト育成という目的に沿った、理想的な人材輩出の事例といえます。
滋賀県ではピンク系大玉トマト「トワダ」の栽培を予定されており、当社としては来年10月中旬以降の取引について検討を進めていく予定です。

今回の出張を通じて、徳島県内における契約栽培や施設園芸の取り組みを改めて確認することができました。
今後も生産者や関係機関の皆様との対話を重ねながら、安定供給と品質向上に向けた取り組みを進めてまいります。


