九州のJA3地区(JAやつしろ・JA島原雲仙・JAみい)を訪問、商談・圃場視察を行いました
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2025(令和7)年1月28日(火)・1月29日(水)の2日間、クラカグループ倉敷青果株式会社カット野菜部の河合課長と藤原課長が、商談および圃場(ほじょう:畑や田んぼのこと)視察のため、熊本県のJAやつしろ、長崎県のJA島原雲仙、福岡県のJAみいを訪問しました。
初めにJAやつしろを訪問し、レタス圃場を視察しました。こちらでは、JAやつしろ 営農部 野菜・果樹・特産課の本田様、熊本経済連 園芸部園芸販売課の松野様、JA全農青果センター 加工業務部 加工業務第2課の成田様にご対応いただきました。
JAやつしろのレタス部会には現在18名が所属しており、約70haの圃場で栽培を行っています。
倉敷青果では、玉レタス、グリーンリーフ、サニーレタスを11月下旬から5月上旬にかけて契約仕入れしており、生産者の皆様は、出荷時にプラスチック製のコンテナを使用するなど、品質に対して高い意識を持って日々の作業に取り組んでいます。
レタス部会 河口様のサニーレタス圃場
現在までの栽培状況は昨年の夏の高温の影響を受けましたが、最近の降雨量の増加により回復傾向にあります。しかし、出荷量は例年の7割程度にとどまっています。
夏季の高温障害は既に常態化しつつありますが、こちらの圃場では用水路が整備されているため水不足への懸念は少なく、根こぶ病などの病害に注意しながら適切な水管理を行うことができます。
左から河合、本田様、玉レタス生産者の友田様、藤原、成田様(撮影:松野様)
その後、成田様にご同行いただき、フェリーで長崎県雲仙市へ移動。到着後、JA島原雲仙 南串地区営農センターを訪問し、和田様にご対応いただきました。
南串地区では厳格な規約のもと契約取引が行われており、倉敷青果は玉レタスとグリーンリーフを11月下旬から5月上旬にかけて契約仕入れしています。
生育状況については、昨年10月下旬から11月にかけての大雨や強風により植え付けが遅れ、12月は気温こそ平年並みだったものの、降水量不足による乾燥に見舞われました。しかしながら、病害虫へ注意を払う必要はありますが、2月中旬以降は生育が安定するとの見通しを立てています。
商談では次年度の取引について前向きな協議が行われ、継続的な取引に向けて調整を進めています。
左から藤原、河合、生産者の松山様、和田様
翌29日は福岡県久留米市のJAみい園芸流通センターへ向かい、木崎係長のご案内のもと、福岡を代表するいちご「あまおう®」の圃場を視察し、JAみい いちご部会の須山部会長にお話を伺いました。
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JAみいのいちご部会には20名が所属しており、露地8:高設2の割合で栽培を行っています。
昨夏の高温の影響により、出荷時期が遅れ、出荷量も例年より少なくなっていますが、あまおうについては2月中旬には増加する見込みであるとの説明を受けました。
あまおうは、1月・2月は8~9分着色、3月・4月は7分着色の状態で収穫されます。
より高品質ないちごを育てるため、栽培にはさまざまな工夫が施されています。ハウス内の二酸化炭素(CO2)濃度を上げることで炭素の吸収量が増え、光合成が活発になります。このプロセスにより生育が促進され、糖度が上がることで果実の甘みが増す効果が期待できます。
また、ハウス内には加温機が設置されており、温度が6度以下になると作動し、適切な温度を維持します。
JAみいでは新たな取り組みとして、通常は流通市場に出回らない大粒のいちごを「博多あまおう KINGCAKE」としてインターネットで販売しています。
鹿児島県に本社を置く量販店「タイヨー」でも販売している場合がありますが、ごくまれなケースのため、運が良ければ出会えるかもしれません。
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福岡県産のイチゴ、とりわけ「あまおう」は、東南アジア、特にタイで高級果物として人気があり、自分へのご褒美や家族のお祝いといった特別なシーンでのプレミアム消費に加え、贈答用としても消費者からの需要が高まっています。
タイでは日本産いちご1箱ご購入ごとに、練乳1個をプレゼントして販売されている
左から木崎様、河合、須山様
最後にJAみい大刀洗集出荷場の光安様のご案内で、管内にある矢永レタス部会長の圃場へお伺いしました。
倉敷青果では、こちらの地域から11月下旬から5月上旬にかけて契約仕入れを行っています。
今季のレタス栽培は水不足の影響を受けましたが、その後は順調に回復しているとのことです。昨年12月上旬には寒さ対策としてビニールがかけられ、2月中旬からは出荷量も増える見込みだそうです。
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左から藤原、矢永様、河合(撮影:光安様)
2日間の商談・視察を通じて、昨年の気候変動による栽培への影響が見られる中でも、各産地の特色ある取り組みや現状の課題、そして生産者の皆様の品質向上への真摯な姿勢を実感することができました。
引き続き産地との信頼関係を深め、安全・安心な国産野菜の安定供給に努めてまいります。
熊本県八代市の五家荘平家の里
根こぶ病とは
このこぶが大きくなると、根の中にある導管と呼ばれる水や栄養を運ぶ道を圧迫します。そのため、植物は必要な水分や栄養素を十分に吸収できなくなり、結果として地上部の葉っぱがしおれたり、黄色く変色したりします。最悪の場合、植物全体が枯れてしまうこともあります。
根こぶ病は、主に「Plasmodiophora brassicae」という病原菌によって引き起こされます。この病原菌は、土壌中に存在し、主に湿度が高い環境で活動が活発になります。根に感染すると、根の細胞が異常に肥大し、結果的に養分の吸収を阻害します。