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JAかみましき甘藷部会、熊本経済連の皆様がご来社されました

JA上益城甘藷部会、熊本経済連の皆様がご来社されました

昨年11月のいちご部会の皆様のご来社に続いて、2025年(令和7)1月16日(木)、熊本県上益城郡よりJAかみましき甘藷部会JA熊本経済連の皆様が意見交換とクラカグループ倉敷青果株式会社の市場視察のためご来社されました。

JAかみましき甘藷部会、熊本経済連の皆様がご来社されました
幣立神社「高天原」神話の発祥地と言われる上益城郡山都町の幣立神社(へいたてじんじゃ)
 
JAかみましき管内では、さつまいもの生産が盛んで、特に「紅はるか」と「シルクスイート」が主力品種となっています。阿蘇の火山灰土壌を活かした栽培が特長で、この地域特有の寒暖差が甘みを引き出し、高品質なさつまいもの生産を可能にしています。

甘藷部会では、これらの高品質なさつまいもをJAかみましきの特産品として、消費者の皆様に新鮮で美味しい商品を安定的にお届けできるよう、日々栽培技術の向上に努めています。
 

JAかみましき管内で

栽培しているさつまいも

 

紅はるか

紅はるかは非常に甘く、しっとりとした食感が特徴です。糖度が高く、焼き芋やスイートポテトにすると、その甘さが際立ちます。
 

シルクスイート

その名の通り、非常になめらかな食感が特徴です。口の中で溶けるような食感があり、特にデザートとしての利用に適しています。

掘り出された甘藷(さつまいも)

 
クラカグループ本社屋3階にて開催された意見交換会に先立ち、甘藷部会代表者様より、日頃の販売協力に対するお礼と今年度の出荷予定についてお話がありました。
続いて、クラカグループを代表し、冨本顧問よりご来社いただいたことへのお礼、日頃のご支援への感謝、そして今後の販売拡大に向けた抱負が述べられました。

甘藷部会代表者挨拶
冨本顧問挨拶

 
生育状況については、夏期に若干の生育障害が見られたものの、「紅はるか」「シルクスイート」ともに順調な出荷が見込まれるとの報告がありました。

さらに、市場動向について、当社魚谷主任より販売状況や販売形態についての報告がありました。

甘藷部会産地状況報告
魚谷主任市場報告

 
日本のさつまいもは、その独特の甘さと風味から、海外で高い評価を受けています。特に台湾や東南アジアでは、日本の小売業者が現地に進出し焼き芋を販売したことで、さつまいもへの関心が高まり、輸出量は近年急増し、この10年で10倍に達しています。

かんしょの輸出実績
かんしょの国・地域別内訳

かんしょの輸出実績(出展:2022年農林水産物・食品の輸出実績(品目別))
 
日本のさつまいもは、他国の品種に比べて甘みが強く、クリーミーな食感が特徴です。特に「紅はるか」や「安納芋」などの品種は、自然な甘さがあり、デザートとしても好まれています。この甘さは、海外のさつまいもとは一線を画しており、消費者にとって魅力的です。

また、健康志向の高まりに伴い、さつまいもは栄養価が高く、食物繊維やビタミンが豊富な食品として注目されています。特に、低GI食品としてダイエットや健康管理に適していることから、海外の消費者にも受け入れられる要因の一つになっています。

GI(グライセミック・インデックス):
食べ物を食べたあとに、体の中のブドウ糖(エネルギー源)がどれくらい早く増えるかを示す数字。GIが高い食べ物を食べると、血糖値が上下に大きく変動し、この乱高下は、体に大きな負担をかけ、様々な病気の原因となります。

割ったさつまいも
 
意見交換会では、時折笑い声が起こる和やかな雰囲気の中で活発な議論が交わされ、さつまいもの生産をめぐる将来の展望に焦点が当てられました。

甘藷部会の皆様
当社担当者

特に、全国的に生産地が増加する中、産地間競争の激化を見据えた差別化戦略が主な論点となりました。

他産地の販売戦略事例として、パッケージデザインに産地の象徴的な名所を取り入れたり、ロゴをプリントしてブランドイメージを構築したりする手法が紹介されました。これらの事例は、産地固有の資源や、地域の歴史・文化といった要素を掘り下げ、明確な差別化ポイントを確立することの重要性を示唆しています。

また、こうした取り組みは自治体を巻き込み、地域一体となってその特徴を全面的に押し出す戦略が有効であるという意見も出されました。

甘藷部会の皆様
 
意見交換会の中、生産者の方からは「紅はるか」の急速な市場拡大や、栽培品種の変更に対する成果について貴重なお話を伺うことができました。50年以上の栽培経験を持つ方でも、試行錯誤を繰り返し、年を追うごとに栽培の腕を上げていると実感されているそうです。こうした弛まぬ努力が、市場関係者からの評価が高い、高品質なかみましきブランドの信頼を支えている一因なのではないかと感じます。
 
最後に実施した視察では、他産地の青果物を手に取って見学できたこともあり、参加者の皆様にとって大きな刺激になったようです。収穫から貯蔵、梱包まで、あらゆる工程に熱心な質問が飛び交い、活気あふれる時間となりました。

市場内視察
プロセスセンター視察
バナナ室見学
作業場視察

 
この度のJAかみましき甘藷部会、JA熊本経済連の皆様との意見交換会と市場視察を通じて、生産者の方々の真摯な姿勢と品質へのこだわりを改めて実感することができました。

生産者の皆様の熱意に応えるべく、今後も密接な情報交換と連携を図りながら、消費者の皆様に安全・安心で美味しいさつまいもをお届けできるよう尽力いたします。

JAかみましき甘藷部会、JA熊本経済連の皆様、この度は遠方より倉敷青果市場へのご来社、誠にありがとうございました。