北見地区玉葱振興会の皆様がご来社されました
令和6(2024)年11月21日(木)、北海道の北見地区玉葱振興会、ホクレン北見支所、ホクレン大阪支所の皆様が道外視察研修のためご来社、情勢交換およびクラカグループ倉敷青果株式会社のカット野菜加工施設を視察されました。
北見市の北きつね牧場
はじめに、当社本社屋3階にて、当社顧問の冨本から挨拶があり、次に、視察団の代表者の方からご挨拶をいただきました。 続いて当社専務の冨本よりカット野菜の概要や当社の取り組みについて説明し、担当の高橋課長から当社の販売に関する取り組みについて報告がありました。
その後、専務は資料を用いて、加工・業務用国産野菜の生産利用拡大に向けての取り組みを詳しく説明されました。 なお、専務は以前、担当者として北海道を車で回った思い出のあるお取引先であり、合間に懐かしい昔話を交えながらの説明となりました。
国内出荷量の63%以上のシェアを占める(令和3年産野菜生産出荷統計野菜調査より)日本一の玉ねぎ生産地、北海道の中でも北見地区は道内屈指の生産地です。
北見市の玉ねぎが安定供給されることで、国産玉ねぎの生産拡大に大きく貢献する重要な地域となっています。
また、当社から生産者の皆様に食の安全性を示す「GAP(ギャップ)認証」の取得について質問しました。最近、GAP認証を取得した農産物の取り扱いを強化しているお取引先が増えており、もはやGAP認証は特別なものではなく、業界標準となりつつあります。
この拡大傾向を踏まえると、GAP認証の取得は早ければ早いほど、信頼性の高い得意先への安定した販売が可能となります。
当社は平成24年に卸売市場業界では日本初の『ISO22000認証』を取得しており、消費者に安全・安心な食をお届けするという基本理念を大切にしています。
「GAP認証」や食品の製造過程で発生する可能性のある危害を分析し、それを管理するための手法である「HACCP(ハサップ)」の履行は、単なる規格取得以上の意味を持ちます。これらは最終的に生産者を守るルールであり、安全で安心な農作業を実現するための重要な取り組みなのです。
HACCPを理解いただくために
生産者の方々は、東京オリンピック前後から、GAP認証を取得しないと出荷できない状況が増えたと語っていました。一方で、GAP認証の更新を中止した生産者もいます。
ある生産者は、4年前にJGAPの認証を受けていましたが、2年前から更新審査を見送っています。GAP認証の取得過程で、作業記録の作成や農場の住所把握など、自明と思っていたことを改めて学び、大変勉強になったといいます。
しかし同時に、販路開拓や出荷量の確保において多くの課題を感じています。
中間業者への納品システムや個人の出荷量の限界、メーカーの求める生産量との乖離は、生産者にとって大きな壁となっています。
さらに、認証取得のための費用や事務手続きの負担は重く、取得しても付加価値を感じられない、という生産者の実感は切実です。
このような状況において、2年ごとに求められる更新作業と労力を考えると、GAP認証の取得は依然として高いハードルとなっているのが現状です。
改善策として、JAやホクレンなど中間業者に協力を仰ぎ、事務手続きを支援することや、若い世代から始められる環境づくり、少数からグループ認証を始め徐々に拡大することなどが提案されています。
特に強調していたのは、実需者側からGAP認証の必要性を積極的に発信してほしいということです。実需者の声が多ければ多いほど、農家も動きやすくなり、お客様との距離も縮まることが期待されます。
情勢交換を終え、市場内施設の視察へ向かいました。
日本各地から運び込まれた野菜を貯蔵する冷蔵庫施設において、担当者から産地や入荷の動向、使用目的などの解説があり、参加者は真剣な面持ちで話に聞き入っていました。
それぞれご関心のある商品について熱心にご質問されたり、また施設の様子を撮影されるなど、大変意欲的にご視察いただきました。
北見地区玉葱振興会の皆様、
北見から長時間の移動にもかかわらず、熱心にご視察いただき、ありがとうございました。安全・安心な農産物の安定供給に向けて、より一層の連携を深めさせていただければ幸いです。
これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。
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