【夏のフルーツ急便特集2024】岡山県総社市のメロン生産者「剣持農園」を訪問しました
2024(令和6)年5月24日(金)、ぶどう生産者「山雅ファブリカン」、桃生産者「窪津真果園」に続いて訪問したのは、同じく岡山県総社市でメロンを栽培している『剣持農園』です。
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今回の訪問では、2つのメロンハウスを見学しました。まずは「蒸し込み」を行っているハウスです。
「蒸し込み」とは、メロンに袋をかけた後、ハウス内の温度と湿度を高めて育てる栽培方法のことです。この方法を用いることで、メロンの表面が柔らかくなり、ネットが形成されやすくなります。しかし、温度が高すぎたり湿度が上がりすぎると、メロンが割れてしまうリスクがあるため、温度管理を慎重に行う必要があります。
また、メロンは1.5kgぐらいの大きさになると、落下したり、親蔓がずれたりする可能性があるため、フックで吊るして落下するのを防ぐ工夫をしています。
続いて、交配作業中のハウスに移動しました。メロンはミツバチなどを介して自然交配で受粉させることが一般的ですが、剣持農園ではより確実に実を付けるために、ハウス内の温度を高く設定し、人の手による「人工授粉」を行っています。
朝は人工授粉に最適な時間です。この時、雄花の花粉の排出が最も盛んであり、雌花も開花している期間が短いため、受粉しやすい時間は限られています。さらに、雌しべは粘性が高くなり、花粉が着きやすい状態にあります。そのため、開花したばかりの雄花を摘み取って花びらを取り除き、雌花の先端に擦り付け受粉を行います。
交配作業が終わると病害の発生を極力抑えるため、雄花をすべて取り除きます。
受粉が正常に行われると、雌花の下にある子房が膨らみ、メロンの果実になっていきます。
メロンは受粉してから約1週間で鶏卵ぐらいの大きさになり、摘果の時期を迎えます。
摘果とは、幼果を間引くことで、残った果実に栄養を集中させ、大きく甘いメロンを収穫できるようにする栽培方法です。メロンの場合、果実の形がやや縦長の楕円形になったものを1株当たり1~3玉残して摘果を行います。
これは、メロンが縦方向に伸びてから横に膨らむ性質があるため、楕円形の方が将来的に大きく丸い形になりやすいという理由からです。
しかし、この時期のメロンは皮が薄く、蔓にあたっただけでも表面に傷が入るほど傷つきやすいため、摘果を行う際は細心の注意が必要です。
また、摘果したメロンは市内のスーパーで販売されており、浅漬けや粕漬け、ピクルスなどの漬物に適しています。特に粕漬は絶品だそうです。
剣持農園では7月上旬の収穫を予定していますが、メロンは積算温度が1300度程度になると、糖度が上がって収穫の時期を迎えます。近年は暑い日が多くなり、天候次第では収穫の時期も早まるため、ハウス内の温度・湿度の管理など、気を抜けない日々が続きます。
剣持農園の劒物様、
お忙しい中ご対応いただきましてありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。