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主要果樹生産面積15品目の7割が過去最小—クラカグループの農業の省力化・効率化と地域活性化への取り組み

果樹主要15品目のうち7割の生産面積が過去最小に

果樹の生産面積減少は、日本の果樹農業が直面する深刻な課題となっています。

2024(令和6)年8月25日(日)に発行された日本農業新聞によると、2022年の最新データでは、みかんりんごなど主要果樹15品目のうち10品目の生産面積が統計開始以来最小を記録しました。これは全体の約7割にあたります。
そのうち5品目は、ピーク時から1万ヘクタールも減少しており、この面積は東京ドーム約2,138個分に相当し、クラカグループが拠点を置く倉敷市の約28%にあたります。

果樹7割面積最小に画像クリックでPDFを表示
 
みかんの減少率は特に顕著で、最盛期だった1975年から77%も減少しています。生産面積が過去最小となった10品目のうち、ピーク時から1万ヘクタール以上減少したのは、みかん、りんご、柿、栗、ぶどうといった、私たちになじみ深い果樹です。

果樹の生産動向1(主要品目の生産量・産出額・作付面積)資料:農林水産省「果樹をめぐる情勢」主要品目の生産量・産出額・作付面積
 
多くの果樹園が中山間傾斜地に位置しているため、機械化が困難な作業が多く存在し、これが作業者の負担を大きくしています。さらに、生産者の高齢化が進行しており、それに伴って生産者数が減少しています。

その結果、果樹農業の生産規模も縮小傾向にあり、取扱量の減少は避けられない状況です。このままでは、お客様に高品質な商品を安定供給することが困難になってきています。

果樹の生産動向(中山間地域割合、耕作放棄地面積等)資料:農林水産省「果樹をめぐる情勢」中山間地域割合、耕作放棄地面積等
 
近年、ライフスタイルの変化に伴い果物離れが進行しており、夏はすいか、冬はこたつでみかん、といった伝統的な光景が減少しています。
特に20~40代の間で顕著で、これには食べる際に皮をむいたり、切ったりする必要があり手間がかかること、健康志向の高まりとともに、果物以外にも健康的とされる食品の選択肢が増えているなどが要因として考えられています。

果実類の年齢階層別1人1日当たり摂取量資料:公益財団法人 中央果実協会「果実の消費動向」
 
農林水産省は、今後生産者の減少が見込まれる厳しい農業現場に対応するため、作業負担の少ない省力樹形の普及と、農機具導入を視野に入れた園地改良を推進する方針です。

省力樹形とは、小さな樹を密植して直線的に配置することで、効率的に作業を行えるようにする栽培方法です。この方法により、品質の安定と生産性の向上が図れるほか、機械の使用が容易になり、労働負担の軽減と作業時間の短縮を同時に実現できます。

これらの利点から、省力樹形の導入は果樹農業における労働力不足や生産効率の課題に対する有効な解決策として注目されています。

果樹の経営動向(省力樹形の導入による省力化)2資料:農林水産省「果樹をめぐる情勢」省力樹形の導入による省力化

 
クラカグループの農業生産部門、クラカアグリでも、食料の安定供給を目指し、中山間地域の農地の有効活用と農業の効率化・省力化に取り組んでいます。

認定農業者として、岡山県内の遊休農地や水田を積極的に活用し、耕作放棄地の解消、農業従事者の育成、安全・安心な加工・業務用野菜の栽培を行っています。

また、お客様に年間を通じて新鮮な農産物を提供できるよう、岡山県内の栽培農家へ圃場準備から出荷までの支援活動を行っています。
水田を有効活用した加工・業務用キャベツの栽培水田を有効活用した加工・業務用キャベツの栽培
 
また、直進アシスト付きトラクターや定植機、防除用ドローンなどの導入、クラウドサービスを活用した圃場(ほじょう:畑や田んぼのこと)管理など、スマート農業を推進することで、作業の省力化・軽労化を図るとともに、労働力不足の解消に努めています。

防除用ドローン防除用ドローンを使用することにより作業負担の軽減、作業時間の短縮などのメリットがある
 
加えて、クラカアグリでは若い世代の農業への参入を促すため、新たな担い手の育成に注力しています。明確なキャリアプランを設定し、彼らの将来の夢や目標の実現をサポートすることで、地域農業の活性化にも貢献することを目指しています。
 
クラカグループは、今後も持続可能な農業の実現を目指し、新しい技術を積極的に導入することで、地域農業の活性化および「安全・安心」な食の安定供給に貢献してまいります。