JA全農青果センターのWebセミナーで講演、東京センターを訪問しました
2024年(令和6年)11月28日(木)、JA全農青果センター株式会社のWebセミナーに参加、12月10日(火)にはJA全農青果センター 東京センターを訪問しました。
農業を取り巻く環境は、技術革新によるスマート農業の普及、高齢化、女性の社会進出、さらには消費者の食に対する意識の多様化など、市場の変化によって急速に進化しています。
11月28日に開催されたWebセミナーでは、クラカグループの農業生産、青果物卸売、加工野菜製造から外食店経営に至るまでの一貫した幅広い業務をご紹介し、変化が進むアグリビジネスの中で、JA全農青果センターとの連携を強化することで、実需者や消費者の皆様の多様なニーズに柔軟に応える体制を構築することを目指し開催されました。
本セミナーでは、倉敷青果株式会社の冨本専務による挨拶に続き、カット野菜部の寺田部長が当社の事業展開と今後の展望について講演を行いました。当社の取り組みに関する説明と、その後の意見交換を通じて、今後の連携強化に向けた有意義な機会となりました。
12月10日、Webセミナー開催から時間を経て、寺田、カット野菜部の河合課長、藤原課長が埼玉県戸田市のJA全農青果センター株式会社東京センターを訪問しました。
東京センターでは小沢統括部長、加工業務部の徳茂部長と成田担当、加工業務開発部の熊田係長にご対応いただき、中川課長をはじめ、各担当者の皆様からもご挨拶をいただくなど、大変丁寧にお迎えいただきました。
戸田市民の憩いの場 彩湖・道満グリーンパーク
近年の気候変動により、キャベツやレタス、青ネギ、トマト類、キュウリなど、多くの野菜において厳しい状況が続いています。特に夏季の高温は常態化しており、作付面積の減少や定植の遅れ、生育不良などの課題が深刻化しています。
こうした状況を受け、当社ではレタス類の安定調達に向けた産地リレー方式による契約仕入れについて説明しました。
レタス類の産地リレー
- 11月中旬から5月中旬:熊本JA八代、長崎JA島原雲仙南串
- 5月中旬から6月下旬:群馬JA利根沼田
- 10月上旬から11月中旬:群馬JA邑楽館林
そのうえで、青果物全般の安定供給体制の構築を目指し、レタス以外の商品についても新たな提案をいただきながら協議を重ねました。さらに、物流効率化とロット管理の課題解決に向けて、大阪センターの活用を検討しました。
その後、熊田係長、成田担当にご案内いただき、施設を見学しました。施設内には32レーンの自動移動ラックが完備されており、4200パレットもの収納能力を有する設備が整っています。
施設内の冷蔵庫は4つのエリアに区分され、温度帯とエチレンガス除去の有無に応じて管理されています。さらに、商品特性に応じた自動収納システムの導入や、ウェザーカバー装置による外気流入の抑制など、全館で徹底したコールドチェーン管理を実施しています。
エチレンとは野菜や果物が成熟する過程で自然に生成される植物ホルモンです。このホルモンには熟成や老化を促進する作用があり、濃度が高くなると野菜の劣化を進行させる特徴があります。
特にリンゴやバナナなどはエチレンを多く放出する作物として知られています。一方、トマトやキュウリはエチレンの影響を受けやすく、エチレン濃度が高い環境では変色や腐敗が進行しやすい性質があります。
農業や食品業界では、このエチレンの特性を活用し、果物の成熟をコントロールする技術を確立しています。必要に応じてエチレンを人工的に供給して追熟を促進したり、反対にエチレンを除去して鮮度を保持したりすることで、高品質な流通管理を可能にしています。
エチレンの特性を活用した例。リンゴとキウイを同じ箱に入れると、リンゴから放出されるエチレンガスの作用で、キウイの熟成が促進される
気候変動や市場環境の変化など、農業を取り巻く課題が山積する中、今回のWebセミナーと東京センター訪問は大変有意義な機会となりました。今後も相互理解と連携強化の機会を重ねることで、消費者の皆様に安全・安心で高品質な青果物を安定的にお届けできる体制づくりに共に取り組んでまいります。
JA全農青果センター株式会社東京センターの皆様には、ご多忙の中、貴重な視察の時間をいただき、誠にありがとうございました。
ご案内いただいた熊田係長、成田担当
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